当院では、ほとんどの診療に歯科手術用実態顕微鏡(以下、顕微鏡と称します)を導入しております。当院の顕微鏡では、ドイツのカール・ツアイス社製の最新最高機種の「プロ・エルゴ キセノンライト仕様」であります。カメラやレンズ関係に多少の知識の有る方でしたらご存知と思いますが、同社の光学製品はカメラやビデオのレンズのみならず、世界中の医療現場では常に最高位の評価を得ており、高度な心臓外科や脳神経外科・整形外科・眼科・耳鼻咽喉科…等の精密手術の現場ではカール・ツアイスの顕微鏡の独壇場と申し上げても過言ではありません。顕微鏡手術の歯科における導入の歴史的な経緯は、アメリカのペンシルバニア大学キム教授のもと 歯内医療法学(根管治療)分野で開始されました。今から約17年位前(1992年)のことです。そして現在に至っては、歯内療法で最も権威のあるA.E.A.(アメリカ歯内療法学会)は、7年前から歯内療法の専門医とその教育機関に対して、顕微鏡診療の研修と使用の義務化の通達を出し、その結果アメリカでは専門医の99%が顕微鏡診療を行う実態となりました。 しかしながら、日本では歯内療法(根管治療)の健康保険での技術的な評価が大変低く(アメリカの歯学部の学生診療費の約3分の1、専門医診療費の約10分の1から20分の1)、顕微鏡の普及率は2009年4月現在でも約2%以下とされています。 また、これが大切な事ですが、顕微鏡設置施設の大部分は、大都市部の歯科大学付属病院や多人数の歯科医師にて運営されている大規模診療所で、健康保険適応外の自由診療を行う場合の使用機会に限定されているのが現状です。 ですから群馬県内では、健康保険診療を希望される患者さんに顕微鏡診療や手術の必要性があったとしても、当院の様に歯科医師1名の保険医療機関に設置されている例は、不採算の為、ほとんど存在しないのが現状です。 当院では、顕微鏡に放送局用の超小型3CCDビデオカメラを接続し、32インチのハイビジョンモニターにて、その映像を視覚化できるようにシステム化いたしました。 映像は、アシスタントが診療内容の確認に用いる他に、接続してあるHDD/DVDレコーダーに記録可能で、診療時や終了後患者さんにその映像をご覧頂くことも可能です。このことはまさに、究極のカルテ開示と言えるかも知れません。 初診時の口腔内診査顕微鏡を用いないと不可能な歯周病の再生手術・移植手術等にも当然使用しておりますが、現在院長は、大部分の歯科診療に顕微鏡を導入出来るまでに、日々研鑽を積んでまいりました。この結果、今までは肉眼や拡大鏡(ルーペ)下では限界のあった難症例も顕微鏡下では治療可能となりつつあります。 診療の主体は、歯内療法(根管治療)や歯周病治療、充填(比較的小さな虫歯治療)、歯冠形成、インプラント、各種手術になりますが、診療の性質上感染防止の観点から、ラバーダム処置を施術することも、あわせてご理解を頂きたいと思います。 |
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